BI、そんなに悪いですか?

BI、そんなに悪いですか?

現代の複雑なデータ分析やデータ活用においてはBI”のみ”の状態ではより高度な分析が進みません。それはBI/ダッシュボードと探索分析・AdHoc分析が分断されていることが問題です。この記事ではその二つをつなぐ方法を紹介します。

このページでは、
ダッシュボードが伝える内容はシンプルで分かりやすく、身近に置いてよく見ることができます。しかし、ダッシュボードに私たちは言葉をかけることができない。何がそんなに悪いのでしょうか?

21世紀の始まりに、Salesforceは「ソフトウェアの終焉」というテーマを掲げました。これは、ソフトウェアが完全になくなるという意味ではなく、その販売や運営の従来の方法に対する新しい挑戦でした。

以前のソフトウェアは購入者と実際の使用者が異なることが多く、永久ライセンスを購入しても、アップグレードのために継続的に支払いが必要であり、導入や使用の過程が煩雑で不満を感じるユーザーも多かったのです。しかし、現在ではクラウドサービスをサブスクリプション(SaaS)として利用する方式が主流になり、Salesforceの提唱した考え方が正しかったことがわかります。

The End of BI

現代のビジネスインテリジェンス(BI)ツールについての見直しを考えてみましょう。

ここで言いたいのは、BIが役割を終えたということではなく、現場でのデータ利用において、BIツールとユーザーの関わり方に大きな変革が必要であるという点です。

BIの現在の問題点を指摘し、その進化すべき方向性について考察していきます。

BI(Business Intelligence)ツールとは?

現実感を感じるのは、目に見える大きさのものに限られることが多いです。この理念は、データウェアハウスやデータレイクに蓄積された膨大なデータにも適用されます。

データに現実感を与えるためには、それが物理的な形を持ち、特定の属性を有している必要があります。この目的を達成するために、データを視覚化するのがチャートの役割です。そして、これらのチャートをストーリーテリングの枠組みの中に組み込むのがダッシュボードの機能です。

ビジネスインテリジェンス(BI)は、最終的にユーザーに提供される成果物であり、ダッシュボードと同様の重要な役割を果たしています。

単純な指標(数値)の確認を超え、問い、答えを見つけるステージまで進まなければなりません

ビジネスインテリジェンス(BI)は、単に数字をチェックするだけではなく、より深い質問に答えるための段階へと進化する必要があります。これまでのBIは、データソースからのデータ収集、専用のデータストレージへの保存、ビジネスロジックに基づくデータの加工、そしてチャートによる視覚化といった多くの役割を果たしてきました。

しかし、データ環境の複雑化と要求の多様化により、従来のBI機能は急速に変化しています。多くの領域は専門の技術とツールが担当するようになり、BIに対する要求は、エンドユーザーがデータをより効果的に活用することに集中しています。

データ消費者の視点から見たとき、BIに求められることは2点あります。

  • 一つは、指標をチャートやダッシュボードの形で視覚化することです。これはBIがすでにうまく行っている部分です。
  • もう一つは、その時々の具体的な質問(ad-hoc questions)に対して、データから答えを見つけ出すことです。これはBIが今後改善していくべき点です。

BIからAnalyticsへの移行のギャップが大きい

組織内でデータを意思決定に活用することは、通常以下の順序で行われます。
1.ダッシュボードを通じて主要指標の推移と現状を確認; 指標の低下; 質問(なぜ低下しましたか? 何を変えなければなりませんか?)
2.質問に関連するデータ確保、アナリストがAnalyticsレポート作成、データベースの意思決定。

問題は、ダッシュボードの具体的なチャートから発見された質問に答えるために、アナリストであろうとビジネス担当者であろうと、チャートに関連するデータセットをIT担当者に頼んで入手し、そのデータセットを別のツール(R、Python、Tableauなど)を使ってEDA(探索分析)や統計的分析をしなければならないことです。

しかし、組織内の一般的な人々(担当者、実務者)は、質問に関連するデータセットにアクセスする道がまだ塞がれており、苦労して手に入れたデータを扱うのは難しい。 もし、Analyticsレポートとダッシュボードの内容が異なる場合(ダッシュボードに使用されたデータセットと分析/報告のために入手したデータセットが異なり、内容が異なることが多い)、どの数字を信頼すべきか分からなくなる。

BIからAnalyticsへの移行のギャップが大きすぎます。

Self-Serve Analyticsが難しい理由

セルフサービス分析とは、組織内の一般スタッフが、データやITの専門家の支援なしで、ビジネスの成果や運営効率に関する質問に答えるために必要なデータに直接アクセスし、それに基づいて自ら分析を行うことを指します。

TableauやPowerBIのようなセルフサービスBIツールは、IT部門の支援をほとんど必要とせずに部門自身でダッシュボードを作成できる点で、ダッシュボードの普及に貢献しています。しかし、より高度な探索分析や統計的なモデリングには、今なおデータアナリストやデータサイエンティストの専門知識が必要です。

  • 質問に対する分析を行うことができるよく整理されたデータセットを入手するのが難しい(情報セキュリティの障壁、コミュニケーションコスト)
  • 与えられたデータを様々な視点と仮説で分析することが難しい(時間/スキル不足、ツールの限界)

HEARTCOUNT ABI:Self-Serve BIがSelf-Serve Analyticsの融合

ビジネスインテリジェンス(BI)とアナリティクスの分野の区別は完全に明確ではないものの、組織内でのデータ活用は通常次のように行われます。
a. BI: ダッシュボードを通じて指標の現状/推移を確認する。
b. Analytics:その時々の質問に答えるためのad-hocに分析が行われる。

効果的なデータ活用のためには、これら二つのプロセスは本来分離されるべきではありませんが、現実には分離されています。このため、担当者は、ダッシュボードの確認からアドホックな分析へと自由に移動できるように、これらのプロセスを統合する必要があります。

  • ダッシュボードより疑問点発生し、 関連データセットで探索/統計的ad-hoc分析をする。
  • 探索/統計分析で新しいパターンの発見し、ダッシュボードへの反映、常時モニタリングする。

従来のBIツール(ダッシュボード)と、アドホックな質問に答えるためのアナリティクスツールの機能を、データセットを通じて統合することで、ユーザーのデータ消費に関連するワークフローを一つのツール内に集約することが可能になります。このアプローチは、データを扱う組織内のさまざまな役割間のコラボレーションを容易にするでしょう。

BIだけへの依存から脱却する決意は固まりましたか?

BIとAnalyticsが一体化したワークフローによって実現可能なことや、その際に対処すべき課題については、今後の別の記事で詳細に述べる予定です。

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