[HEARTCOUNT実習例] HR dataset - I(人事分析)

[HEARTCOUNT実習例] HR dataset - I(人事分析)

HEARTCOUNTを使用してHRデータを分析するプロセスを説明します。HEARTCOUNTを使えば、誰でも簡単にデータから意味のあるインサイトを引き出すことができます!

このページでは、

以下の例は、特別な分析の知識や経験がない人でも、画面イメージを見て真似をして自分で解釈できるように簡単に作成しました。

データ分析は、そのプロセスと手順がどんなに複雑であったとしても、最終的には分析した結果を日常の言語で解き明かして意思決定者に報告し、他のメンバーと共有することが重要です。そのため、分析は説得の科学とも言えるでしょう。

分析プロセスが複雑になればなるほど、その結果を他人に簡単に説明することが難しくなり、分析結果が活用されにくくなります。簡単な分析や簡単な視覚的表現だけで十分に自分の主張の根拠になるのであれば、わざわざ複雑で難しい分析手法を使用する必要はないと思います(もちろん、先端的な分析手法を活用することはできるものの意図的に使わないことと、できないから使わないことには違いがあると思います)。

データセットの説明

  • データセット: HR dataset(人事分析用データ)
  • 主な変数
    • 採用経路: 求人サイト、インターンなど
    • 在職期間(年数)
    • 最終学歴
    • 勤務部署
    • 退職(区分)
    • マネージャー(の有無)
    • スコア:成果
    • 残有給数
    • (本人の)スコア:認知
    • (本人の)スコア:持久力
    • (本人の)スコア:実行力
    • (マネージャーの)スコア:リーダーシップ
    • (マネージャーの)スコア:コミュニケーション
    • (マネージャーの)スコア:決断力
    • スコア:エンゲージメント (従業員満足度)
    • 売上金額

実習内容

HEARTCOUNTのスマートプロット機能を使用して、以下の問題に対する答えを含むグラフを視覚化してください。

  • HEARTCOUNTにログインします。(Chromeの使用を推奨:言語・
  • 日本語)
  • 実習用のデータセットを使ってキャンペーンを作成してください。
  • 問題に対するそれぞれの視覚化画面を保存するには、以下の方法を用いてください。
    • 個別にブックマークとして保存 > 画面上部の [ブックマーク] を選択します
    • 右クリックして名前を付けて画像を保存するか、スクリーンショットでキャプチャします
  • スマートプロットだけでなく、ドリルダウンなどの他の視覚化機能も使用可能です。
     👉 スマートプロットのチュートリアル動画はこちら

1.2つの変数間の相関関係を確認する

1-1. 「スコア:エンゲージメント」(従業員満足度) と「スコア:コミュニケーション」(マネージャーのコミュニケーション能力のスコア) との間にどのような相関関係があるかを確認してみましょう。

▼正解と解説 (クリック)

[解説]
図1-1 (クリックして見る)は、従業員満足度とマネージャーのコミュニケーション能力のスコア(アンケートを通じて部下が測定)との間の関係を散布図の形式で視覚化したものです。画面上の個々の点は、データセット(例えば Excel)を構成する個々のレコード(従業員)を示します。
散布図は、個々のレコード/観測値を座標上に点として散らばった形で表現する視覚化方式です。従業員満足度とマネージャーのコミュニケーション能力のスコアの間の相関係数は0.85です。相関係数は、2つの数値型変数(年齢、年収、学習時間など)間の関連性を-1から1までの数値として計算した値で、0.85であれば、非常に強い正の相関関係があると言えます。

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  • 画面上部のY軸に「スコア:エンゲージメント」を選択し、X軸に「スコア:コミュニケーション」を選択します。
  • 相関係数の隣のアイコンをクリックします(トレンドラインが追加されます)。

1-2. 「勤務チーム」別に「スコア:エンゲージメント」(従業員満足度) と「スコア:コミュニケーション」(マネージャーのコミュニケーション能力のスコア) の関係がどのように変化するか確認してみましょう。

▼正解と解説 (クリック)

[解説]
今回は、個々の点(従業員)を勤務チームに分けて見てみましょう。分析に使用する変数を次元(dimension)とも言いますが、従業員を従業員満足度 x マネージャーのコミュニケーション能力のスコア、この2つの次元で見て、勤務チームという新しい次元を追加して見てみます。図1-2で確認する

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  • 画面右側の [カラー] メニューで「勤務チーム」を選択します。
  • 「勤務チーム」を選択した後、表示される個々の勤務チームを一つずつクリックして相関係数が変化することを確認します。

2.カテゴリー間の有意な違いを探る

2-1. 「勤務チーム」別の「スコア:エンゲージメント」(従業員満足度)の違いを視覚化した後、その違いが統計的に有意であるかどうかを確認してください。 (ヒント: 95%の 信頼区間)

▼正解と解説 (クリック)

[解説]
勤務チーム別に従業員満足度の分布が異なることを確認しましたが、今回は異なる勤務チーム間の従業員満足度の差が統計的に有意かどうかを確認してみましょう。異なるグループ間の平均値に有意な差があるかどうかを判断する伝統的な方法の中で代表的なものは、グループ内(個別の勤務チーム)の従業員満足度の差(分散)よりもグループ間(互いに異なる勤務チーム間)の差が大きいかどうかを確認することです。

図2-1(クリックして見る)のように、個々の勤務チームごとに平均の従業員満足度の95%の信頼区間を表示して、信頼区間が互いに重ならない場合、グループ間に統計的に有意な差がある(差が偶然ではなく、実際に存在する)と判断することができます。「技術」チームの場合、他のどの勤務チームと比較しても統計的に有意に低い満足度を示すことが確認できます。

もちろん、統計的に有意なもの(Statistical Significance)が必ずしも実用的な観点から有意なもの(Practical Significance)ではなく、統計的に有意ではないパターンもいくらでも実用的に活用することができます。

95%の信頼区間の正確な数学的定義は、私たちが常識的に理解している概念(母集団全体の平均値がその信頼区間内に存在する確率が95%である)とは少し異なります。「実際の、または想像上のグループ(全従業員)の真の平均値(true mean)がその区間内に存在する確率が運と割り切るには非常に高い」程度に理解すれば良いと思います。

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  • 画面上部のX軸を「勤務チーム」に変更します。
  • 「技術」チームの信頼区間をクリックして、平均の信頼区間が重なるか確認します。
  • 画面上部の5つのアイコンのうち左側から2番目のアイコンをクリックして95%の信頼区間を表示します。

2-2. 「事業所所在地」別の「不良件数」の分布を確認してください。(ヒント: 箱ひげ図、代表値)

▼正解と解説 (クリック)

[解説]
異なるグループ間の変数値の分布を比較するもう一つの代表的な方法として、箱ひげ図というものがあります。(箱ひげ図(box plot)のより詳しい説明はGoogleで検索すると出てきます)

図2-2(クリックして見る)で下に長く広がっているほど、その事業所の従業員ごとの不良件数の分布が広く、その逆であるほど分布が狭いと解釈することができます。中央のボックス(箱)には、中央値(median)を基準に上下50%のデータが含まれています。アメリカと東京の場合、相対的に不良件数の分布が他の事業所よりも非常に狭く(個人間のばらつきが小さい)、アムステルダムとソウルの場合、個人間のばらつきが大きいことが確認できます。

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  • 画面上部のY軸を「不良件数」、X軸を「事業所所在地」に変更します。
  • 上部の5つのアイコンの中から、一番左のアイコンをクリックして箱ひげ図による分布を表示します。
  • (オプション) より綺麗な表示とするには、[カラー] を「事業所所在地」として表示します。

2-3.「勤務チーム」別の「スコア:エンゲージメント」(従業員満足度)の違いが「事業所所在地」によって変化していないか確認してください。(ヒント: サブグループとして1つの次元を追加する)

▼正解と解説 (クリック)

[解説]
人は95%の信頼区間やp値などの統計的概念によって、他人が主張する内容と表現方法が一致して、その主張が説得力を得るときに説得されます。

異なる勤務チーム間に存在する従業員満足度の違いが事業所の所在地と無関係に現れる普遍的な現象であることを以下のように視覚化すれば、その主張がさらに説得力を得られると思います。図2-3を確認する

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  • Y軸を「スコア:エンゲージメント」、X軸を「事業所所在地」、サブグループを「勤務チーム」として選択します。
  • 上部の4つのアイコンの中から、一番左のアイコン(棒グラフ)を選択します。
  • 「事業所所在地」の横の並び替えのアイコンをクリックして降順で並び替えます。

3.KPIの改善戦略を裏付ける視覚化資料を完成させる

3-1. 「スコア:エンゲージメント」(従業員満足度)を改善するためには、「スコア:コミュニケーション」(マネージャーのコミュニケーション能力のスコア)の改善が必要であるという主張をしたと仮定して、その主張を裏付ける視覚化グラフを完成させてください。

▼正解と解説 (クリック)

[解説]
勤務チームごとに従業員満足度に差があることは、もはや反論しがたい事実となりました。次の質問は、なぜ差が出るのか、何を変えれば改善するのかということですが、先ほどマネージャーのコミュニケーション能力と従業員満足度に大きな正の相関関係があることを確認しました。

従業員満足度を改善するには、マネージャーが従業員とコミュニケーションする方法に改善が必要であるという主張をするために、図3-1(クリックして見る)のような視覚化表現が可能です。

個々のチーム内でもコミュニケーションスコアが低くなるにつれて(色が薄くなるにつれて)従業員満足度が低下することを視覚的に確認することができます。

  • 「スコア:コミュニケーション」(マネージャーのコミュニケーション能力のスコア)は元は数値型変数ですが、0~10点、10~20点、... ... 、90~100点のように区間で分割してカテゴリー型変数(性別[男、女]、職種[開発、生産、営業]など)に変換することができます。今回の実習で使用しているツール(HEARTCOUNT)では、そのような変数の変換が自動的に行われます。


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  • X軸を「勤務チーム」、サブグループを「スコア:コミュニケーション」に変更します。
  • 「勤務チーム」の横の並び替えのアイコンをクリックして降順に並び替えます。

まとめ) コントロールできるものとできないものをよく区別し、コントロールの効果が大きい要因に集中する。

従業員の満足度(エンゲージメント)を高めるために私たちがマネージャーに強調できる要因は数え切れないほど多いです。政府の市場に対する規制の効用は、政府が市場がどのように機能するかを正確に把握し、市場参加者を常に正しい意思決定に導くことにその価値があるのではなく、市場参加者が不確実性に圧倒されて愚かな意思決定を行わないように意思決定行為の複雑さを制限することにあるという理論があります。

今、世界で広く知られている Google のプロジェクト Oxygen の価値も、その内容の斬新さではなく(実際の内容はあくびが出るほど陳腐です)、データを通じて確認した優秀なリーダーの具体的な行動基準を8~10種類に制限して、リーダーが従業員に関する意思決定をする際の不確実性を減らしたことにあると思います。

Google re:Work - マネージャー
Google re:Work - マネージャーは非常に重要な役割であり、従業員の業績に大きな影響を与えます。優れたマネージャーの条件を共有し、能力開発の機会を提供し、優れたマネージャーを称賛するなどの方法で、従業員をサポートしましょう。

パラダイムが変わるには、新しいパラダイムで過去のパラダイムでは簡単に解決できなかった問題が解決されなければなりません。ピープルアナリティクス(People Analytics) が新しいパラダイムとして定着するためには、成果や生産性など、事業の成果と直接的に関連する問題に実用的な解決策を提示し、その効果を証明できる必要があります。

そのためには、HRがコントロール/介入できるものとできないものをまず区別し、自分が介入できるものの中で、その介入の効果が最も大きい要因を発見し、実践しなければなりません。

HRがこれまで常識(common sense; 良いマネージャー -> 高いエンゲージメント/生産性)として知ってはいるが、実践(common practice)できなかった最も大きな理由は、自分が介入できるもののうち、その介入の効果が大きい要因を定量的に証明し、実際に介入して指標が改善されることを経験できなかったためです。難しいですが、十分にやり遂げられることだと信じています。

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