1.基本的なビジネスとマーケティング用語に精通しており、KPIの重要性を理解しているビジネス関係者。
2.ウェブサイト運営経験がある方、またはGA4のようなウェブ分析ツールを使った経験がある方。
3.データを解釈し、それをビジネス戦略に適用するデータ分析に興味のある方。
サードパーティのデータ収集の難しさ
GoogleとAppleがサードパーティのデータサポートを停止します。
2024年に猶予されましたが、Googleは2020年からChromeブラウザでのサードパーティクッキーの追跡を制限するという立場を示しました。Appleも2017年にサファリでサードパーティのクッキー追跡を制限するITP(Intelligent Tracking Prevention)、続いて2020年6月のWWDCでアプリ追跡の透明性(App Tracking Transparency)ポリシーを発表し、2021年4月のiOS 14.5アップデートから施行されました。 記事1 記事2
顧客を理解するためにデータドリブンマーケティングを行っていた方は、サードパーティデータのサポートの停止に戸惑うことでしょう。 トラッキング制限に代表されるデータ環境の変化を知り、対応策を見つける必要があります。 この記事では、各パーティデータの定義と意味を紹介し、カスタマージャーニー(User Journey)改善への活用方法を説明します。 そして、ファーストパーティデータ収集の活性化など、データ環境の変化にどのように対応すべきかを提案します。
ゼロ/ファースト/セカンド/サードパーティ製データ
データは収集方法やソースによって、ゼロ、ファースト、セカンド、サードパーティと呼びます。
前述のサードパーティデータとは、サービスとは直接関係のない、外部の仲介会社から取得したデータを指します。 これらの会社は、ブラウザのCookieやトラッカーを通じて、複数のサイトにまたがるユーザーの行動を収集します。オンラインディスプレイ広告を提供する広告会社は、このようなサードパーティデータを使用します。例えば、CRITEOのプライバシーポリシーのページでは、どのようなデータがどのように収集されるかについて詳しく説明しています。
ウェブブラウザのクッキーは、ウェブサイトがユーザーのコンピュータのブラウザファイルに保存する小さなテキストファイルです。クッキーは、ユーザーのログイン情報、サイト設定、ショッピングカートの内容などを保存し、ウェブサイトがユーザーを認識・記憶して、より便利なウェブ体験を提供するのに役立ちます。しかし、クッキーはユーザーのウェブ活動を追跡し、個人情報保護に影響を与える可能性があるため、使用には注意が必要であり、ブラウザの設定でクッキーを拒否することができます 🍪
ファーストパーティデータとは、企業が顧客から直接収集するあらゆる形式のデータです。企業や組織のウェブサイト/アプリケーション内の検索履歴、ページ滞在時間、購入履歴などの例を挙げることができます。このうち、顧客が能動的に提供する嗜好や興味、アンケート結果、個人情報などのデータは、別にゼロパーティデータと呼ばれることもあります。 (2020年フォレスター社がZero-Partyデータという用語を提唱しました。 リンク) 当社のドメイン内で行われたユーザー活動のみを収集することができます。
パートナー企業が収集したファーストパーティデータを購入した場合、これをセカンドパーティデータと呼びます。ホテルチェーンや航空会社・レンタカー会社など、緊密な協力関係にある企業間のデータ契約によって得られます。続いて、なぜこのようなデータを収集するのか、どのように活用するのかについて説明します。
顧客を理解し、KPI改善に活用する
ウェブログの観点から顧客をもっと理解しましょう。従来は、ブローカーを通じて購入した人口統計学的特性、訪問サイトなどのサードパーティデータを通じて顧客セグメントを分類し、潜在的な顧客を選定して広告の露出を行いました。 しかし、サードパーティのCookieの制限により、ゼロパーティとファーストパーティのデータの重要性が高まっています。
代表的なウェブログアナリティクスであるGoogle Analytics(以下、GA4)では、獲得(Acquisition)-エンゲージメント(Engagement)-収益化(Monetization)-維持(Retention)
と定義しています。各段階でどのようにデータを活用して顧客を理解し、KPIを改善することができるのでしょうか。
獲得(Acquisition)
初回訪問に該当する獲得段階では、新規訪問者数、コンバージョン率などの指標を最適化できる広告やコンテンツ戦略をモニタリングします。訪問ページ、滞在時間などの行動データを分析し、費用対比で流入トラフィックが多い流入チャネルや検索語などを把握し、流入の効率を高めるマーケティング戦略が必要です。
エンゲージメント(Engagement)
エンゲージメント段階では、主に滞在時間、離脱ポイントなどを把握し、改善されたエンゲージメントを作ることを目指します。セッションあたりのページビュー、平均滞在時間など、ウェブサイトが提供するコンテンツに対するユーザーの関心度やエンゲージメントを指標化し、KPIにすることができます。ユーザーのページビュー数、滞在時間、クリック/コメントなどのインタラクションデータを分析することができます。
収益化(Monetization)
購入が行われる収益化段階では、注文数、平均売上など、収益に関連するKPIを最適化するためのデータ分析が必要です。ユーザーの購入履歴、カートに追加したアイテム、購入転換率などのデータを通じて、ユーザーの製品好みなどを把握したり、プロモーションを行うかどうかを決定します。ショッピングカートのアイテムや滞在時間などを把握し、購入決定への転換を誘導することもできます。
維持(Retention)
維持段階では、顧客との長期的な関係(再訪問)を構築しようとします。 そのため、顧客ロイヤリティや再訪問率の指標を高めるための戦略が必要です。ここでは、再訪問者の行動データを分析して、忠実な顧客コホートを作成し、彼らにカスタマイズされたサービスや報酬を提供するなど、顧客満足度を高めるための戦略を立てます。再訪問頻度、離脱率、顧客ロイヤリティに関するデータ分析が中心です。
参考)ゼロパーティデータの活用方法
ゼロパーティーのデータもあらゆる段階で活用することができます。アンケートやフィードバックなど、ユーザーから直接提供された情報、つまり興味や好みによる高度なパーソナライゼーションが重要です。例えば、パーソナライズされた広告による新規顧客の獲得(獲得)、パーソナライズされたコンテンツの推薦(エンゲージメント)、パーソナライズされた割引提供(収益化)、パーソナライズされたメッセージ(維持)などが挙げられます。このようなゼロパーティ/ファーストパーティデータは、収集上の自由度が高いという利点がある一方で、収集および活用段階での個人情報の適切な非識別化、そして正確性の検証の責任があることも留意しなければなりません。
ユーザーデータ分析の効果とその分析手法の詳細については、以下の記事をご覧ください。
サードパーティデータの制限への対応策
AppleとGoogleがサードパーティデータを制限する名目は、結局「個人情報保護の強化」です。サードパーティデータの制限により、不特定多数の顧客から潜在顧客を特定することは難しくなりました。 トラッキングがないのに、その後のデジタルマーケティングはどうすればいいのか?" と言うのであれば、結局、直接収集できるゼロパーティーおよびファーストパーティデータを活用したパーソナライズドマーケティングに答えがあるはずです。
その場合、ゼロおよびファーストパーティデータの1)企画2)確保について考える必要があるでしょう。データ企画のためには、KPIを達成するために確認したい詳細指標を設定し、収集する過程を綿密に行う必要があります。データ確保のためには、より多くの顧客エンゲージメントを引き出す必要があります。データを能動的に提供できるようなサービスUXが必要であり、追跡を許可するコンテンツ、そしてイベント企画が必要でしょう。 顧客の意見を引き出すためのアンケート項目の企画にも力を入れなければなりません。
最後に、Webログを分析してユーザーをより深く理解したい実務者の方には、HEARTCOUNTの活用をお勧めします。コードやSQLを書くことなく、ユーザーデータをきれいに可視化することができます。 また、様々な次元でデータを掘り下げて分析することができます。お手持ちのExcelデータをアップロードして可視化することから始めてみてください!