- 時間の経過に伴う指標の変化を定期的にトラッキングしている方
- 指標の増減の要因を探して、アクションアイテムを発掘する必要がある方
こんにちは!HEARTCOUNTチームのデータアナリスト兼プロダクトマネージャーのDavidです。
前回の記事では、HEARTCOUNTのAI分析機能であるダイアログ(Dialogue)の活用法を紹介しましたが、今回はダイアログで実行できる新しい分析手法であるSignalについて紹介したいと思います。
Signalは、注目すべき指標の変化とその要因を自動的に分析し、変化率、変化パターンなど様々な観点から通知するダイアログ(Dialogue)の新機能です。
今回のブログでは、HEARTCOUNTのサンプルデータセットの一つである売上データセットを使って、ダイアログでSignal分析を行う方法を紹介します。
Signal - 注目すべき指標の変化を探す
0) データセットのアップロード
まずはHEARTCOUNTにログインしてみましょう。最初にログインすると、キャンペーン生成
メニューが表示されます。
サンプルデータセットを使用する
ボタンをクリックすると、HEARTCOUNTを利用できるように用意されたサンプルデータセットが表示されます。- この中から、Signal分析を行うのに最も適した売上データの
(英語) Superstore Sales Dataset
を選択してみましょう。
1 ) 関心のある指標の設定
- それでは、
AI分析
>ダイアログ
メニューに移動してみましょう。 - 分析に先立って、
フィルタ
で歯車
ボタンをクリックして派生変数を除外してください。
Signal分析を行うためには、用意された売上データセットから最も関心のある指標を選択する必要があります。
- 今回は
Sales
(売上)を選択します。
次のページに進むと、ダイアログの新しいSignalのおすすめ質問を確認することができます。
トレンド
に関する質問をクリックしてみましょう。
2) シグナル分析の設定
次のステップに進むと、本格的な分析を行う前に、最初に設定する必要がある内容を確認することができます。一つずつ選択してみましょう。
- 集計方法: 前に選択した指標の
Sales
を集計する方法を選択します。合計
を選択します。 - 使用する時系列変数: 現在のキャンペーンで使用する時系列変数を選択します。このサンプルデータセットの場合、時系列の変数の中から
Order Date
(受注日)を選択します。 - 時間単位:
Order Date
の時系列変数をどの単位に分けて見るかを選択します。年、四半期、月、週、日単位で分けることができます。ここでは月
単位で見てみましょう。 - 比較基準: 分析を行う際、最も直近の期間の売上と比較する基準を選択します。今回は
月
を選択したので、直近の月
のSales
と比較する期間を選択します。今月が2024年11月であれば、直近の前の期間
は2024年10月になります。
3) 分析結果を確認する
次のステップに進むと、Signal分析エンジンが自動データ分析を実行します。画面上部の概要
(合計の分析)では合計のSales (売上)の指標の推移を月別に確認することができ、画面下部の主要な発見
では、各変数ごとに自動的に計算された指標の変化と主要なパターンを確認することができます。一つずつ詳しく見てみましょう。
3-1) 合計の分析
まず、合計の分析の結果です。Sales (売上)の合計は全体的に増加していることがグラフ
と分析の説明文
から確認することができます。
直前期間
比及び前年同月
比で減少しました。 *
直前期間
比: -34.62K*
前年同月
比: -13.17K今月の売上が特に下落した主な要因を探る必要があるようです。しかし、すべての要因ごとに一つ一つ最も下落幅が大きいものを見つけるには計算も複雑で、その要因が分析的にどの程度重要なのか、などのインサイトを導き出すことは容易ではありません。
Signalは、このような複雑で難しい作業を代行し、結果を表示します。以下をご覧ください。
3-2) 主なインサイト
主なインサイトに関する注意事項
a. 各カードにはどのような情報が含まれていますか?
特定のキャンペーンデータセットの カテゴリー変数(例えば、地域)の各カテゴリー(例えば、東京)ごとに指標の推移を計算した結果を表示します。比較期間に対する増減量、最近の4期間の推移、そしてもし推移に特別なパターンがある場合、そのパターンについてボタンと文章の形式で情報を提供します。
b. 結果を実行すると、主要な発見
の横に円形のアイコンが表示されますが、どういう意味ですか?
Signal分析アルゴリズムは、選択されたキャンペーンのデータセットの全カテゴリー変数に対して演算を行いますが、その演算の現在の進行状況を表すプログレス・サークル(progress circle)です。
c. 分析結果はどのように分類されますか?
大きく 増加
、減少
、変化なし
に分類され、増加/減少の場合、不規則
、連続的
、パターン
の詳細パターンに分類することができます。ボタンをクリックすると、すべての分析結果の中から該当する分析結果のみをフィルタリングすることができます。
d. カードの並び替えの基準はどうなりますか?合計の分析
の結果によって異なります。もし比較期間に対して減少した場合、定量的に最も大きく減少した変数の組み合わせを先に表示し、逆に比較期間に対して増加した場合、定量的に最も大きく増加した変数の組み合わせを先に表示します。
e. 検索バーはどのような役割を果たしますか?
カテゴリー変数(例えば、地域)またはカテゴリー(例えば、東京)で結果をフィルタリングすることができる機能です。
f. Record countとは何ですか?
最も直近の期間のレコード件数で結果カードをフィルタリングすることができます。
主な発見
のブロックでは、キャンペーンのデータセットのすべての変数を活用して、売上の変化(減少)の要因を自動的に探した分析結果を確認することができます。合計の分析の結果、直前の期間と昨年の同期間と比較して売上の合計が減少したため、減少に関連する変数の組み合わせが先に表示されます。
Corporate
(企業)顧客です。直前の期間に比べて-24.12K減少しました。以前は直前の期間まで増加していましたが、最近減少傾向に転換したことも確認できます。3-3) 必要な変数のみを選択して比較する
今回は、私の関心のある変数のみを選んで比較してみます。Corporate (企業)顧客の減少が顧客分類の中で顕著なインサイトかどうかを調べるために、検索ボックスにSegment
(顧客分類)を入力して、1変数
ボタンをクリックしてみましょう。
Corporate
(企業)顧客は大幅に減少し、Consumer
(個人)顧客の場合はむしろ増加したことがわかります。では、 Corporate
(企業)顧客の中では、どのような条件で売上が最も大きく減少したのでしょうか?
- 検索ボックスに
Corporate
と入力し、変数を2変数
に変更してみましょう。
Corporate
(企業)顧客のTechnology
(電子)製品の売上が最も大きく減少(-21.27K)したことが分かります!4) 次のおすすめ質問でさらに分析する
もちろん、ここで分析を終えることもできますが、Corporate
(企業)顧客のTechnology
(電子)製品の売上の減少についてさらに分析すべき部分があります。
Corporate
(企業)顧客&Technology
(電子)製品の売上の季節性
今月の場合、売上が大きく減少しましたが、もしかしたら、前年同月にも同じパターン(季節性)があるのではないでしょうか? 言い換えれば、この時期になると、企業顧客が電子製品を購入する割合が常に減少するのではないでしょうか?- 他の
Segment
(顧客分類)とCategory
(製品カテゴリー)との比較
もしかしたら、Corporate
(企業)顧客&Technology
(電子)製品のみが特別なパターンを見せるのではなく、他のSegment
(顧客分類)とCategory
(製品カテゴリー)でも同じパターンが発見されないのでしょうか? この時期になると、全体的に売上が減少するのではないでしょうか?
このような追加的な質問に簡単に答えるために、ダイアログ(Dialogue)は関連するおすすめ質問を提案します。
- 現在の分析の文脈である「
Corporate
(企業)顧客&Technology
(電子)」に合わせて次の質問を使用するために、それに対応するカードをクリックしてみましょう。関連する質問に変わりました。
4-1) 同期間と比較する
- まず、
前年同月
と比較できる最初のおすすめ質問を選択してみましょう。
グラフを見ると、先ほど確認した現時点のCorporate
(企業)顧客&Technology
(電子)製品の売上推移(緑色の実線)を、前年同期のCorporate
(企業)顧客&Technology
(電子)製品の売上推移(青色の実線)と比較することができます。
4-2) 他のSegment
(顧客分類)とCategory
(製品カテゴリー)との比較
ここでは、2番目の質問を選択し、Corporate
(企業)顧客&Technology
(電子)製品の推移を他のすべてのSegment
(顧客分類)の売上の合計の推移と他のすべてのCategory
(製品カテゴリー)の売上の合計の推移と比較してみましょう。
Segment
(顧客分類)とCategory
(製品カテゴリー)も同様に、直近の期間に減少したことがわかります。ただし、実際の減少幅自体は、Corporate
(企業)顧客&Technology
(電子)製品の方がはるかに大きく見えますね。分析の説明文でも、このような内容を解説して説明していますね。
おわりに
ここまで、ダイアログ(Dialogue)の新しい分析機能であるSignal (シグナル)を使って、用意されたデータからすばやく指標の変化を分析し、意味のある要因を見つける方法を見てきました。
今回使用した売上データセットには、いくつかの主要な指標(Sales
(売上)、Profit
(利益)、Quantity
(数量))が含まれていますが、以下ではProfit
(利益)の指標について、それに従えば自分で試すことができるルートを紹介しますので、ぜひ、Signalを使いこなせるようになりましょう。
- 指標:
Profit
(利益) - 質問の選択: 利益のトレンドと変化について分析して、それに影響を与えた要因を見つけたいです。
- シグナル分析の設定 - 集計方法:
平均
/ 時系列変数:Order Date
(受注日) / 時間単位:四半期
/ 比較基準:直近の前の期間
- シグナル分析の設定 - 集計方法:
- シグナル分析
- 合計の分析 - 全体的な利益の平均パターンを確認する
- 最近増加・減少したのか?
- もし最近4期間中に特別なパターンがある場合、同時期にも同様のパターンがあるのか?
- 主なインサイト
Region
(地域)別に見る- 地域別に見ると、四半期ごとの利益の平均はどの地域で最も増加し、どの地域で最も減少しましたか?
- 最も減少した地域の現在のパターンは、もしかして季節性があり、あまり注目すべきパターンではないでしょうか? 最初のおすすめ質問をクリックして確認してみてください。
Ship Mode
(配送方法)別に見る- どの配送方法が最も大きな減少幅を示しましたか?
- その配送方法の利益の平均の推移を他の配送方法と比較してみましょう。2番目の質問をクリックして確認してみましょう。どのような特異なパターンがあるのでしょうか?
- 合計の分析 - 全体的な利益の平均パターンを確認する
Signalは、時間の経過に伴う数値型変数の意味のある変化を見つけるのに便利な機能です。時系列データを持っている方は、今すぐSignal機能を使って実務に適用できるインサイトを探してみてください🙂