データドリブンによる意思決定に失敗する理由  Part.1

データドリブンによる意思決定に失敗する理由 Part.1

データ・ドリブン型意思決定は、データを基に賢明な判断をする考え方です。機械学習はこの判断をサポートする技術です。成功の鍵は良い質問をし、その答えをデータから導くことです。これにより、顧客やビジネスへの理解が深まります。

このページでは、

データ・ドリブン型意思決定とは?

できる理由・できない理由

仕事を始める際には、まずその仕事を成功させるための条件を見つけ出すことが重要です。成功する要因と失敗する要因は、大抵の場合、密接に関連しています。ただし、他の人が特定の状況で成功した要因を、自分が異なる状況でそのまま適用することは注意が必要です。一方で、失敗する理由については一般化がしやすいです。それは、失敗する理由が特定の状況に限らず、より普遍的な教訓を持っているからです。

これは、教科書だけを頼りにして良い大学に進学できるわけではないという事実と似ています。確かに、勉強しなければ良い大学には入れませんが、それだけで成功するわけではありません。このような観点から、成功と失敗のメカニズムを理解することが、仕事や学業での成功につながるのです。

機械学習(AI)は意思決定を代行する技術

常に行っている仕事を機械がより便利で速くしてくれるのは、確かにありがたいことです。自動化には初期投資が必要ですが、長期的にはコスト削減につながり、企業にとっては有利です。ただ、問題として挙げられるのは、現在の知識労働者が行っている仕事には、これ以上自動化できる余地が少ないという点です。

新しいことを学ぶ必要があり、既存の仕事も改善しなければならない場合、確かに疲れます。学びには終わりがないと言われますが、それは文章として存在するときだけ納得できると感じます。もし私が特別に時間を確保して何か新しいことを学ばなければならない状況になったら、仕事に対するストレスが高まり、仕事を依頼した人に対する不満も増してしまうでしょう。

機械学習(AI)は、意思決定技術として位置づけられています。以前はコストの問題で意思決定を行う勇気が出なかったような事柄も、機械によって自動化されています。頻繁に行われ、個々の意思決定の重要度がそれほど高くなく、誤った決定に対する責任を誰も負う必要がない「この本を一度読んでみますか?」や「この映画はお好みに合いそうですか?」といった、自分自身でもよく分からない自分のための推薦・パーソナライゼーションの領域です。

犬と猫を区別する能力など、人間の認識能力を模倣するモデルの開発は、その潜在的な利用価値が非常に高いとされています。しかし、多くの企業がこのような普遍的な技術開発に焦点を当てる理由が一般にはよく理解されていないようです。オーブンや電子レンジを開発する「Machine Learning Research」領域と、それらの機器を用いて美味しい料理を作成する「Applied Machine Learning」領域の違いに対する認識が不明確な点が、一因として挙げられるかもしれません。

機械学習技術が活用されるもう一つの重要な領域は、データベースにおける意思決定です。この場合、意思決定の主体は機械ではなく、人間です。企業活動は一連の意思決定によって成り立っており、その意思決定の質が企業の成功または失敗を決定づけるという点には、概念的にも容易に合意できるでしょう。

私たちの意思決定の基準が、一つ目は"a:進化の産物である本能"、そして二つ目は"b:個人の具体的な経験と学習の集積である認識能力(Mental Model)"に基づいているとしたら、第4次産業革命の時代にこれらの"a+b"の要素に「c:データ」を加えることで、より賢明な意思決定が可能になるという主張に、誰が反論できるでしょうか?

企業の従業員が皆、それぞれの立場でより良い意思決定を行えば、我が社は間違いなく良くなっていくはずなのに...。

なぜデータドリブンの意思決定が失敗するのか?

A. 使えるデータがない

「使えるデータがない」という状況は、実は私のビジネス(業務)がデータへの依存度が低く、何も手を加えなくてもスムーズに運営できるという状態を示していると言えます。戦略的という言葉には、現象の背後に潜む秩序を理解し、未来の不確実性を減らすという要素が含まれます。a:本能とb:認識能力(Mental Model)だけでは、戦略的な考え方はできるかもしれませんが、実際に戦略的な行動を取ることは難しいでしょう。

「使えるデータがない」という状況は、あなた、または私のビジネスが戦略的でなかったという告白であるとも解釈できます。

戦略的であるためには、運用(Operation)の過程で蓄積されたデータを通じて、自分の仕事に含まれる秩序を理解し、仕事に対する認識の深度と精度を高める必要があります。この過程を経ることで、何が使えるデータなのかも自然と理解できるようになるでしょう。

そのため「使えるデータがない」という表現は「私たちに必要なデータはA、B、Cであり、これがまだ手に入っていない」と具体的に言えるようになるまで使用しない方が良い、というのが約束事となります。

B.分析結果に意味がない

ここで「意味がない」と言う場合、それは「儚い」や「無意味」といった存在論的な意味合いを持つ表現ではありません。むしろ、これは有用性、新規性、完成性などが欠けているという、実用性に対する批評であります。また、それは当初から本人が持っていた「これが(我が国で)実現するのか?」という懐疑的な視点を維持するため、恣意的な判断ではなく確率的な判断を求めるデータ分析という学問の本質に対する皮肉な意味も含まれているでしょう。

世の中の不可解さや不条理さを理由に、本能(a)と認識能力(Mental Model, b)にデータ(c)を加えることに対して拒否感を抱く人々がいる場合、その不可知論的なスタンスに対処するためには別の方法(例えば、状況が変わるのを待つなど)が必要でしょう。ここでは、分析結果が実用性に欠けるという点について考慮してみましょう。

分析結果は結局、質問に対する答え

良い質問をすることで、答えが見つからなくても、その問題領域に対する認識のレベルが大きく成長する可能性があります。一方で、良くない質問(例えば、当たり前のような質問や、正解を前提とした質問)をすると、その正解を見つけたとしても、結局はその場から一歩も進展しないことになります。

この世界に存在するすべての企業には、自社のサービスや商品を購入する顧客がいるはずです。そして、その顧客が競合他社ではなく、自社を選んだ理由が存在するでしょう。その理由を発見し、さらにその理由を育てていく作業には、部署や役割の区分が存在する必要はありません。

良い質問とは、その質問の先が顧客に向いているという点にあります。良い質問の答えをデータから見つける行為は、その過程を通じて顧客や自分の仕事についてより深く、より正確に理解する機会となります。その結果、自分自身が持っていた無知のベールが剥がれるという意味で、それ自体が非常に意味のある活動であると言えるでしょう。

C. 忙しいし、難しい。

その点は、とりあえず認める。
(To be Continued with 本当にうまくいかない理由)
データドリブンによる意思決定に失敗する理由 Part.2 参照


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