(1) ダッシュボード機能を中心に、データをいかに効率的に可視化できるかを解説します。(前回の記事)
(2) ダッシュボードからAIデータ分析へと拡張し、データを探索しインサイトを導き出す方法を紹介します。(今回)
はじめに
こんにちは、HEARTCOUNTチームのBIコンサルタントのHazelです🙂
前回の記事では、BIツール「HEARTCOUNT ABI」のさまざまなダッシュボード機能をご紹介しました。
今回はその次のステップとして、ダッシュボードを見ていて浮かんだ疑問に、どのように答えていけるのかを見ていきます。
今月の売上が減ったのはなぜだろう?
最も利益率の高い製品カテゴリは何だろう?
業績の良い地域には、どんな共通点があるのだろう?
このブログでは、そうした疑問を持つ実務担当の方が、
クリック数回でデータ分析のヒントを得る方法をご紹介します。
ご紹介するのは、私たちが支援しているBIツール「HEARTCOUNT」。
コーディングや分析チームへの依頼を必要とせず、
日々の業務の中でご自身の手でインサイトを得られる仕組みです。
もし今の環境でデータ活用に課題を感じている方がいれば、参考になれば幸いです。 😉
HEARTCOUNTで分析を始めよう
BIからすぐにAI分析
HEARTCOUNTの分析機能は、csvやxlsx形式のデータセットをアップロードするだけで、すぐにAI分析を始められるノーコード型です。
すでにHEARTCOUNT ABIでデータセットを接続し、ダッシュボードやチャートを作成している場合は、あらためてファイルをアップロードする必要はありません。
AI分析ボタンをクリックするだけで、そのチャートに使われているデータをもとに、すぐに分析を実行できます。
「どの商品が利益率が高い?」「売上が減少した原因は?」といったビジネスの疑問に対し、複雑な設定やコーディングなしで、簡単にインサイトを得られる仕組みです。

3種類おすすめの分析メニュー
目的にあわせて選べる3つの機能:
- AI分析:自然言語で質問するだけで、データからインサイトを自動抽出
- パターン分析:機械学習と統計分析を活用した、自動での傾向・パターン発見
- データ探索(EDA):多様なグラフやチャートで、自由にデータを可視化・分析
ここからは、HEARTCOUNTの分析機能を使ってどのようなデータ分析ができるのか、実際の業務で役立つテーマや具体的な分析の問いかけとあわせてご紹介します。
1.問いにすぐ答える「AI分析」機能
利益率が高い商品カテゴリを見つける方法
データQ&Aは、自由に入力した「自然言語の質問」をもとに、
自動でデータクエリを作成し、必要な答えを導き出す機能です。
「売上が前年より増えている地域は?」「高単価の商品は?」など、
気になることをそのまま聞くだけで、すぐに分析を始められます。
また、条件を追加して新しい指標(変数)を作成し、
より深いデータ分析を行うことも可能です。
どんな分析テーマから始めればいいか迷ったときは、
AIが自動でおすすめの質問を提案してくれます。

- 利益率が高い商品カテゴリを見つけたいとき、
「利益 / 売上高 を利益率とした場合、製品サブカテゴリごとの利益率を教えて」と質問してみましょう。

- 分析の結果、商品カテゴリが"ラベル"で利益率が0.43と、もっとも高いことが確認できました。
このほかにも、商品ごとの利益率をテーブルやグラフで可視化して確認することができます。
さらに、AIが提案する質問を活用すれば、
追加の切り口から深掘りしながら、利益率にまつわるデータ分析のストーリーを
少しずつ組み立てていくことも可能です。
今月の売上が減った原因を探るには?
ダイアログは、与えられたデータセットに対して質問を投げかけたり、
その結果をわかりやすく解釈しながら、ユーザーと対話する形で分析を進める機能です。
たとえば、AIが提案する質問のひとつに
「売上のトレンド変化を分析したい」といったものがあります。
この質問を通じて、時系列データを使ったトレンド分析など、
高度なAIデータ分析を簡単に実行できます。
集計方法や時系列分析の単位、比較の基準を設定するだけで、
売上データに隠れたシグナルを見つけ出し、
売上が変動した理由をスムーズに把握できます。

- 売上が減少した理由を知るために、関心のある指標として「売上」を選び、
- 時系列の推移を分析できる3つ目の「トレンドに関する質問」を選択します。
分析結果では、売上のトレンド推移とともに、その内容をわかりやすく自然言語で解説します。
さらに、今月の売上に変化をもたらした影響要因(条件)を、AIが自動で特定し、分析結果として提示します。
「売上が減った原因は?」「どのエリアや商品が影響した?」といった疑問に対して、
複雑な分析なしで、すぐに答えが得られる仕組みです。

- 2つの変数の条件で売上が減少した傾向を確認したところ、
個人顧客向けの電子製品の売上が最も大きな変化していたことがわかりました。
「どの顧客層」「どの商品カテゴリ」がKPIの変化に関係しているのかを、
具体的に把握できるのも、この分析機能の特長です。
2.パターンを自動で見つける「データ分析」機能
業績が良い地域とそうでない地域の特徴や違い
比較分析では、知りたい2つのグループについて、
それぞれの統計的な特性の違いをわかりやすく示します。
たとえば、「業績が好調な地域」と「不調な地域」など、
パフォーマンスに差があるグループを比較することで、
その背景にある特徴や傾向を把握できます。
売上実績をもとに、売上が不調な地域をグループA、
売上が好調な地域をグループB、として分け、
それぞれのグループにどんな違いがあるのかを比較することができます。
どの国で何が売れているのか、販売状況に影響を与える特徴を把握することで、
次のアクションにつながるヒントが得られます。

比較分析では、2つのグループの違いを説明するために、
その差をもっともよく表す特徴的な変数から順に、分析結果を示します。
どの項目がパフォーマンスの差につながっているのかが一目でわかり、
データに基づいた仮説立てや改善のヒントにつなげることができます。
- 割引率の分布において、グループAとグループBが重ならない領域、
つまり2つのグループ間の差が41.69%であることがわかりました。
売上高い地域は割引率の高いグループに集中しているため、つまり割引率が高い地域のほうが売上が高いことがわかります。
売上が落ち込む原因となっている販売条件を見つけるには?
セグメンテーションでは、設定したKPIを改善するために、
その達成に役立つパターンや条件(ルール)を自動で見つけ出す分析機能です。
この仕組みは、代表的な機械学習アルゴリズムのひとつである
決定木(decision tree)を活用しています。
売上が高い店舗とそうでない店舗を分ける条件など、
2つのグループを分類するためのルールを、データから自動で導き出します。
複雑な設定や専門知識がなくても、
どの要素が成果に結びついているのかを簡単に把握できるのが特長です。
少し難しく感じる分析手法でも、HEARTCOUNTを使えば日々の業務にそのまま活かすことができ、販売戦略の最適化にも役立ちます。

利益KPIを設定し、上位20%と下位20%のグループにどんな違いがあるのか、
そのルールを確認してみましょう。
分析の結果、
- 割引率が25%を超えているセグメントでは、
利益がマイナス(損失)となっていることがわかりました
どの条件が利益率に影響を与えているのかを把握することで、
今後の価格戦略や販売方針の見直しに役立てることができます。
特定のKPIにおいて注目すべきパターンを発見する
ダッシュボードは、設定したKPI(重要指標)の状況をひと目で把握できる画面を提供します。
売上や利益、達成率など、日々チェックしたい指標をまとめて表示し、現状の把握と素早い判断をサポートします。
ここで特定の変数(項目)を選ぶと、すべてのKPIをその変数ごとにドリルダウンして表示できます。
たとえば、「地域」や「商品カテゴリ」を選択すれば、
各指標の状況をその単位で細かく確認でき、
どこに課題があるのかをすぐに把握することができます。

主要なKPIが、特定の商品カテゴリや地域でどのような推移を示しているのかを、一目で確認できます。
「製品サブカテゴリ名」と「地域」を基準に主要なKPIをドリルダウンしてみると、
「コピー機」はレコード数は少ないものの利益が高いこと、また地域による大きな差はないことが一目でわかります。
3.データを自由に掘り下げる「探索する」機能
曜日別 / 月別の売上パターンを探す
それでは、もう一度BIダッシュボードに戻ってみましょう。
次にご紹介するのは、自転車と自転車用品を取り扱う会社の売上ダッシュボードです。
ここで「AI分析」をクリックすると、
売上データの中にどんなパターンや傾向があるのかを手動で探すこともできます。
数字の動きだけでは見えにくい特徴を発見し、新しい気づきを得るきっかけになります。

BIのダッシュボードを分析機能と連携し、時系列データでEDA(データ探索)の方法を確認しましょう
- Y軸には販売量(Totalamount)、X軸には注文日(Order date)の月別周期を選んで、売上の周期を確認してみましょう。
フィルタを設定すれば、特定の注文期間に絞ることも簡単にできます。

スマートプロットでは、時系列データをただ時間順に並べて見るだけでなく、
曜日別・月別・週別・四半期別に切り替えて、売上パターンを可視化で確認できます。
「どの曜日に売上が多いのか」「季節ごとの動きに違いがあるのか」など、
時間の切り口を変えて見ることで、より深い気づきを得ることができます。

- 曜日ごとの売上パターンを確認したところ、
月曜日と木曜日に特に販売数が多いことがわかりました。
こうした周期的な傾向を把握することで、
販促タイミングの調整や在庫計画にも活かすことができます。
高収益マーケティングターゲットを探す
ドリルダウン機能を使うと、ユーザーが設定した変数で細かく分けたKPIを確認できます。売上への貢献度が高いセグメントを、任意の変数で設定して自分で見つけることができます。
- まず、ドリルダウンの基準となるKPI(重要指標)を設定し、
左側に表示される変数(項目)を追加しながら、
どの条件が成果に影響しているのかを掘り下げてみましょう。
さらに、ビジュアルの種類を「ツリーマップビュー」に切り替える、
セグメントごとの構成比や分布を直感的に確認することができます。

分析の結果、オーストラリアの「女性」「マネジメント」層が、
もっとも高い製品利益(product profit)を出していることがわかりました。
ターゲット層ごとの違いを把握することで、
重点的にアプローチすべきセグメントを明確にできます。
地域ごとの相対的な特徴を把握する
スマートランキングは、設定したカテゴリ変数(カテゴリー項目)ごとに、
それぞれのカテゴリが相対的にどの位置にあるのかをわかりやすく一覧できる機能です。
売上や利益などの指標をもとに、
各グループ(商品カテゴリ・顧客層など)の違いや強みをひと目で把握できます。

上記のように、すべての数値型変数について棒グラフを確認することができます。
変数を選択すると、その変数の相対的な位置だけが強調され、簡単に確認することができます。

- Australia(オーストラリア)はレコード数が最も多く、age(購入年齢)の平均は比較的低いですね。
指標ごとの要約された統計情報を確認
キャンペーンを保存すると、KPI登録&管理でKPIの設定がしやすいように、データセット内のすべての変数の統計情報が要約されて提供されます。

まとめ:
実務担当者にとって本当に必要なデータ分析とは何でしょうか?
これまで、HEARTCOUNT ABIのAIデータ分析機能を使って、
実務の中で自然に生まれる問いにどう答えられるのかを見てきました。
データ分析において本当に大切なのは、
複雑な手法やスキルではなく、
「いま知りたいことに対して、すぐに答えを得ること」
HEARTCOUNT ABIは、
売上パターンの探索、ターゲット顧客の分析、
利益最適化に向けた戦略づくりまで、
分析の意図や業務の背景を一番よくわかっている
実務担当者自身が直接使いこなせる仕組みを提供します。
これまで分析を「専門家に頼むもの」と感じていた方でも、
自分の手でデータから答えを導き、次の一手につなげられる。
それがHEARTCOUNT ABIの強みです。
自分のデータにも、隠れているパターンがあるのでしょうか?
答えが気になる方は、
ぜひHEARTCOUNTで実際に試してみてください 🙂
あなたのデータからも、思わぬパターンやヒントがきっと見つかるはずです!
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